難病等複数回訪問加算は、訪問看護基本療養費に要件を満たすことで算定できる加算の一つです。
この記事では、難病等複数回訪問加算について解説します。
難病等複数回訪問加算とは?
難病等複数回訪問加算は、重度な病気で1日に何度も訪問看護が必要な利用者に対して算定可能な加算です。具体的には次のような要件を満たす必要があります。
- 基準告示第2の1に規定する疾病の利用者
- 特別訪問看護指示書が交付されている
- 1日に2回または3回以上訪問看護を実施
難病等複数回訪問加算の設定額
難病等複数回訪問加算は、回数によって設定額が変わります。
1日2回 | 4,500円 |
1日3回以上 | 8,000円 |
1日に4回訪問しても、加算は8,000円になります。
基準告示第2の1に規定する疾病の利用者とは?
厚生労働大臣が定める疾病等の利用者とは、週3日を超えて訪問看護を行う必要がある利用者であって、次のいずれかに該当する利用者です。
①特掲診療料の施設基準等・別表第7に掲げる疾病等の者
- 末期の悪性腫瘍
- 多発性軟化症
- 重症筋無力症
- スモン
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊髄小脳変性症
- ハンチントン病
- 進行性筋ジストロフィー症
- パーキンソン病関連疾患
- 進行性核上性麻痺
- 大脳皮質基底核変性症
- パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る)
- 多系統萎縮症
- 線条体黒質変性症
- オリーブ橋小脳萎縮症
- シャイ・ドレーガー症候群
- プリオン病
- 亜急性硬化性全脳炎
- ラインゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄小筋萎縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 後天性免疫不全症候群
- 頸椎損傷
- 人工呼吸器を使用している状態
②特掲診療料の施設基準等・別表第8に掲げる者
1 在宅悪性腫瘍等患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者
2 以下のいずれかを受けている状態にある者
- 在宅自己腹膜灌流指導管理
- 在宅血液透析指導管理
- 在宅酸素療法指導管理
- 在宅中心静脈栄養法指導管理
- 在宅成分栄養経管栄養法指導管理
- 在宅自己導尿指導管理
- 在宅人工呼吸指導管理
- 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
- 在宅自己疼痛管理指導管理
- 在宅肺高血圧症患者指導管理
3 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
4 真皮を越える褥瘡の状態にある者
5 在宅管理者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
1日に2回訪問看護を行った場合の料金はいくら?
具体例として、1日に2回訪問看護を行った場合の訪問看護療養費を計算してみましょう。
【計算式】
訪問看護療養費 = 訪問看護基本療養費 + 訪問看護管理療養費
になります。ここでは、訪問看護情報提供療養費及び訪問看護ターミナルケア療養費を考えません。
【事例】月の初回の訪問ではない週の初めに、同一建物居住者以外の利用者に対して看護師が1日に2回(いずれも日中)訪問した場合、
訪問看護療養費 = 訪問看護基本療養費(5,550円)+難病等複数回訪問加算(4,500)+訪問看護管理療養費(2,980)
⇒ 13,030円
となります。特別訪問看護指示書が交付された場合、週4回以上の訪問看護基本療養費の算定が可能になりますが、訪問看護基本療養費の算定は1日1回までしかできません。
1日に2回訪問した場合は、訪問看護基本療養費の代わりに難病等複数回訪問加算が算定できるというわけです。
訪問看護管理療養費も利用者1人につき1日1回までしか算定できませんよ
まとめ
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